デザインには、目に「見えるデザイン」と目に「見えないデザイン」があります。「コンセプト・ワーク」が私の仕事ですが、どちらかというと、これは「見えないデザイン」に属する仕事でしょう。まだ馴染みの薄い言葉かもしれませんが、個人的には「デザインのあり方を定義する」役割だと考えています。例えば、何かを創ろうとする時、その「創る」という「意志」はデザインのために欠かせない要素です。また、創られた物を受け止める人にとっての「意味」も、重要なデザイン要素です。言葉を換えれば「創り手の意志」と「受け手にとっての意味」を橋渡しするのがデザインの本質ということになるのかもしれません。その点で、デザインはメディアでもあるわけです。メディアは使い方によって成果が変わる性質を持ちますから、より良い成果を得るためには、理想的な使い方ができるよう制御(=啓蒙)する必要があります。これも創り手の役割だと私は思います。デザインには「創る」という行為と「使う」という行為がセットで内在しており、デザイナーはその両方を制御する存在であるべきだということです。「なぜそのデザインでなければならないのか」を明らかにし、受け手に伝えることで、使い方の制御が初めて可能になり、「デザインのあり方」を受け手の意識の中に定義することができるからです。「見えるデザイン」を通じて創り手と受け手の意識をつなぐ「見えないデザイン」が「コンセプト・ワーク」だといえば、カッコ良すぎますか?
●プロフィール/1956年福岡県生まれ。広告代理店を経て2005年より現職。●実績/ヤマハ音楽教室CI計画、ヤマハ池袋店CI計画及び販促計画、ミサワホーム長崎新山手プロモーション計画、都市基盤整備公団プロモーション計画、アミュプラザ長崎オープニング・プロモーション計画、TOTO社内報コンセプト・ワーク、地方自治体観光振興3ヵ年計画、地方銀行社内プロモーション計画、他。●受賞歴/FCC賞、福岡広告協会賞、長崎新聞広告賞、他
Kazuma Hara
Branding Works
クリエイティブ・ディレクター
〒814-0111
福岡市城南区茶山6丁目16-40
TEL 092-851-1509
本文のおわりです
鮎川 透 / 今宮優子 / 江藤 実 / 梶原道生 / かねこしんぞう / 後藤 宏 / サーズ恵美子 / 佐藤俊郎 / 原 一真 / 平松聖悟 / 松岡恭子 / 松熊伸幸 / 宮本一伸 |