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鮎川 透

デザインは21世紀のインフラ

20世紀は「ものづくり」の時代だった。産業革命から始まった近代化は二度の大戦と技術の進歩を背景に、ものづくりによって達成されたといって良いだろう。我が国では1970年代半ばに住宅戸数が世帯数を上回り、今やテレビは一人に一台の時代になった。豊かさを通り越し飽食の時代を実感する昨今、ちょっと立ち止まり自らのライフスタイルや生活環境を考え直す時期にある。求めるものを、量の充足から質の満足に転換しなければならないということだろう。そこでは要不要の判断とともに、質すなわちデザインの重要性を認識しなければならない。デザインとはものの姿や形を示すに止まらず、作られる過程や素材・機能はもちろん社会的存在の意味にまでも広がりを持つものだ。さらに、組織や制度のような見えないものにもデザインという視点は重要である。言うまでもなく、デザインはデザイナーなどそれに関わる作り手によってだけで成立するものではない。広く社会、或いは市民の生活の中で存在するものであることを忘れてはいけない。注目を集めている北欧の家具やテキスタイルの持つデザイン性の高さは、そこでの伝統に裏打ちされた生活が育んでいるに他ならない、ということに象徴されるように。質の豊かさを求める今、作り手の質的向上は勿論だが、デザインという概念が広く社会や市民の中にしみ込み定着することは不可欠である。そのような意味で、デザインは21世紀のインフラである。

●プロフィール/1951年福岡県生まれ、74年九州芸術工科大学芸術工学部環境設計学科卒業、75年芸術工学専攻科修了、75年第一工房入社、80年環・設計工房設立、83年〜九州芸術工科大学非常勤講師、2002年〜04年(社)日本建築家協会 理事・九州支部長、05年〜07年九州大学産学連携センター客員教授、05年〜九州大学芸術工学部・建築学科非常勤講師、06年〜福岡大学建築学科非常勤講師。●実績/玉の湯旅館、のぞえ総合心療病院、下山田小学校、照葉小学校、霧島三番蔵、●所属団体/(社)日本建築学会、社団法人日本建築家協会、(社)福岡県建築士会会員。●受賞歴/97年山田市立下山田小学校建築設計競技(最優秀賞)、99第4回久留米市建築文化賞、2000年第12回福岡県建築住宅文化賞(大賞)、04年福陵団地建替事業建築プロポーザル(一等)、05年アイランドシティ小・中学校設計プロポーザル入選(一等)、06年古賀高等学校改築及び改修工事設計業務に係る公募型プロポーザル(一等)、07年照葉公民館・老人いこいの家複合施設設計プロポーザル(一等)


鮎川 透

鮎川 透

Toru Ayukawa

建築家

株式会社 環・設計工房
代表取締役

〒815-0033

福岡市南区大橋2丁目2番1号

TEL 092-561-6160
FAX 092-561-6191

http://www.kanarc.jp/

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