良いデザインは、愛おしい。

私の朝はブラウン置き時計のアラームで目覚め、夜はアラームのセットで眠りにつきます。日常の中でこれほどまでに生活に溶け込み、愛用されているデザインがどれほどあるのでしょうか？私たちが関わるデザインという仕事の中で、いつの時代も忘れてはならないデザインの普遍性があります。それはブラウン社のデザインディレクターを努めたディーター・ラムスが提唱したデザインの10原則です。良いデザインは、革新的である。良いデザインは、美的である。良いデザインは、押しつけがましくない。良いデザインは恒久的である。良いデザインは、環境に優しい。良いデザインは、製品を有用にする。良いデザインは、製品をわかりやすくする。良いデザインは、できるだけ少なく。良いデザインは、あらゆる細部まで一貫している。そして良いデザインは、誠実である。この原則に基づいてデザインされたものは、合理的で恒久性のあるデザインであり、そしてつねに考えられているのは使い手の立場です。愛おしく使ってもらえるような良いデザインとは人と人、人と物を繋ぐ普遍的なコミュニケーションだと思います。

●プロフィール／1948年福岡市生まれ、71年九州産業大学芸術学部デザイン学科卒、71年凸版印刷株式会社入社、76年株式会社トッパンアイデアセンター西日本クリエイティブ本部勤務。●実績／福岡銀行C.I計画、伊予銀行C.I計画、松尾建設C.I計画、他。●所属団体／福岡アートディレクターズクラブ、福岡デンマーク友好協会、DARWIN-LLP、デザイン特区、九州国立博物館ボランティア会員。●受賞暦／88年全国カレンダー展受賞（西部ガス／松尾建設）、89年通商産業大臣賞受賞（福岡銀行）、90年全国カレンダー展受賞、91年国際カレンダー展入賞、92年日本マーケティング協会賞／印刷時報社賞受賞、93年全国カレンダー展賞受賞、94年全国カレンダー展賞受賞／国際カレンダー展金賞受賞、95年日本貿易振興会賞受賞、97年印刷時報社賞受賞、99年印刷産業連合会会長賞受賞、2000年大蔵省印刷局長賞受賞、01年印刷産業連合会会長賞受賞、03年日本製紙連合会会長賞受賞、04日本商工会議所会頭賞／日本印刷新聞社賞、05〜07年印刷産業連合会会長賞受賞